「下請法」についてお客様から説明を受ける

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数日前、とあるお客様から一通のメールを受け取りました。

要約するとこんな感じ。

「今月から「発注書」(見本ひな形添付)を御社に送付することにいたしました。

これは下請法に伴う措置で、業務を委託する正式な書面になります。

ちなみに「下請法」は代金の支払い遅延や買い叩き、不当な返品などで
下請事業者が不利益を被ることを未然に防ぐ法律です。

これまでは、御社に開発して頂いたWebサイト・Webシステムのリリース時の交付だけで良いという認識でしたが毎月、交付するのが正しいルールということが判明しました。


「発注書」の送付に伴う御社の義務などはございませんが
しばらくの間、保管していただければと存じます。

また、来月分の発注書は、今月中旬に郵便でお送りします。」

めちゃくちゃちゃんとしているじゃないですか・・・。

たまに弊社にも公正取引委員会から「問題のある取引先はないか」という調査書(厚い封書)が届く事が数年に一回?くらいありあまして、、ちょうど先月来ていた事を思い出しました。

(見積書提出後の変更)

Q36 作業内容を下請事業者に提示し見積りを出してもらい,それを基に単価を決定したいと思うが,見積書が提出された後に,作業内容が当初の予定を大幅に上回ることとなった場合に,見積書を取り直さずに発注することは問題ないか。

A. 下請事業者に見積書を提出させた段階より作業内容が増えたにもかかわらず,当初の見積単価で発注すれば,下請代金の決定に当たり下請事業者と十分な協議が行われたとはいえず,買いたたきに該当するおそれがある。したがって,下請事業者から申出のあるなしにかかわらず,最終的な作業内容を反映した再見積りを取り単価の見直しを行う必要がある。

 (一律引下げ)

Q37 親事業者が決算対策のため,発注単価を一律に引き下げることは問題ないか。

A. 個別の発注内容の違いを考慮することなく,全ての発注内容について一律に一定比率で引き下げた単価で発注を行うことは,買いたたきに該当するおそれがある。

公取の調査に解答した事は勿論ないのですが、弊社も20年会社をやっていると、当然よそさまの会社と同様に「交通事故」に巻き込まれるケースは出てきます。未来永劫無事故無違反が理想ですが、死ぬまで永遠にゴールド免許というのは、ペーパードライバーでも無い限りあり得ません。運転しなけりゃ事故に遭わない、というのは、働かなければトラブルも起きない、というのと同義であまり意味をなしえません。中にはなかなかな「運転」をしてくるお客様も現実的にはいらっしゃいます。得てしてそういう人ほどあまり常識的な話が通じない事が多いです。

もう時効だと思いますが、以前お取引のあったお客様は、2,000万近い発注をしたにも関わらず、サイトを無事リリースしてはいお支払いをお願いします、となった段階で「気に入らないので払えない」と言ってきて大騒動になった事がありました。

「貴方は家を建てる契約をして、設計書も作り、建った後に気に入らないからと言ってお金払わない、という行為が常識的に通じると思ってるんですか?」と言うと、そのとある名門百貨店の一族出身の総務部長(描写余計?)は「そんなこと言ったって払えないものは払えないんだよ。気に入らないんだグフフフ」と真顔で言ってきて、常識は人によってかくも異なるものなのだな、という事を良く理解できた瞬間でもありました。その後その会社にはちゃんと天誅が下って潰れました。が、うちも一部債権を頂き損ねました・・・。

後になってその会社が別の超大手広告代理店とも実は民事訴訟(しかも同じWebサイト制作費・Webシステム開発費未払い)を抱えていることを知りました。こういう体質の会社って、大体どこのお取引先に頼んでも同じ事を繰り返すんですよね。早く言ってくれればお取引しなかったのにと思っても勿論アフターカーニバルです。

しかもこの時個人的には父親の余命が幾ばくも無く、結局葬儀中にも携帯電話使いまくりで親戚から「トオルちゃん、何やってるの?」と怪訝な目で見られたのは言うまでもありません。

大体お取引というのは、契約書の条文とかこういう関連法規を調べ始めると、抜き差しならない局面にさしかかり出している事が多いものです。弁護士もいろんな人がいますので、昔なら「そんなのは無意味なのでやめた方が良い」とちゃんといさめてくれる人が多かったと思うのですが、司法制度改革の負の面なのか、食えない弁護士が増えました。

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なのでクライアントの無知につけこんで、社会一般の常識的な判断より対立をあおって出来るだけ稼ごう、という人も増えているような印象があります。相談する側も「弁護士先生が言っているんだから」みたいな状態で半ば妄信してしまうともう収拾つかなくなってきます。というより収拾つかなくなっている場合は得てしてそういうキャスティングになっているという方がより適切な表現かもしれません。

裁判になれば、結果あそこもめてるよな、と風評も立ち、発注者はその他の受注者側から、受注者はその他の受注者側から要注意業者として警戒されます。特に発注者は受注者側にリスクを意識させるので見積もりの額も上がりますし、結果勝者なき争いとなり、得をするのは弁護士だけみたいな状態になります。

これはシステム開発業界もある意味似たようなものです。

私がしばしばお客様に「そういうWebシステム開発は勿論出来ますが、自分で言うのもなんですが、それをしてもWebシステム開発会社の売上増えて喜ぶだけで、対して役に立たない機能です。雀を大砲で撃つようなもんですから辞めませんか」と言います。

しかし当然中にはそれとは真逆に「出来ます!はいやりましょう!やりましょう!」という方も沢山いらっしゃいます(お客様が夢を膨らませまくって開発会社がいさめるという逆のパターンもありますが・・・)。それできちんと納品されてお客様が満足されているのであれば、それはそれでよしではありますが、重要な局面で、本当にお客様の立場に立って、きちんといさめてくれる人なのかどうか、というのは、案外基本的なおつきあいにおいて大事な事では無いかと私は思っています。

まあこういう真の友人系はプライベートでも少ないだろうなとは思いますので、ましてや利害関係が絡むビジネスにおいては、益々そういう信頼できる人を探すのは難しいのかもしれませんね。

弊社は幸いにもお取引先は恵まれており、昨今あまりこういう心配をする機会がなくてホント良かったなと思いますが、弊社は受注者でも発注者でも両方の立場ですので、自らしっかりそういう事が無いようにな、とお客様から頂いた「発注書」を見ながら改めてそんな事を思いました。


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