クリエイターという「面倒な人種」について

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クリエイターという「面倒な人種」について 未分類
昨年末のいよいよ年の瀬に、良くお仕事をお願いしているデザイナーさんから個チャ=(DMチャット)で連絡があった。
要約すると「プロジェクトを降ろしてくれ」という事だった。あー、という感じだった。
なぜ「あー」なのかというと、多分言ってくるかもしれない、という予感がうっすらとあったからだ。
聞くと理由は2点あって、一つはチームにウマの合わない人がいる。そしてもう一つが制作物への修正内容に納得がいかない、ということである。どちらもこの業界では良くあるお話であり、なかなかに根深い。
実は非常に優秀なデザイナーやプログラマーに特に良く見られる特徴として「理不尽な事には耐えられない」という傾向がある。特に優秀な人材である程、この傾向はかなり強い。
勿論何が理不尽と考えるかは当然人によって違うけど、ここで言う理不尽とは大体の場合
「これがベスト又はベターだと信じて(というか絶対そう)提案・作成しているのに、どうしてわざわざ(このタイミングで)こんなデグレードした選択又は修正をしなければならないのか」
という事である。
優秀な作り手ほど制作物へのこだわりは強く、臨界点を超えると(超えやすい)一気にやる気を失ってとたんに言われた通りにし出すか、プロジェクトを降ろしてくれと言ってくる。当然そうなると質は落ちる。
良い悪いは別として、クリエイターという人種はそういうところが本質的なところとしてある。で、実は先日偶然、めちゃくちゃ興味深い動画を見た。それはABEMAの社内でディレクター達が「なぜクリエイターはかくもキレ易いのかが理解出来ない。なので彼らの心情に寄り添って配慮しよう」とそのための勉強会を社内で結構やっている、という事だった。不謹慎だけど?その話しを聞いてちょっと笑ってしまった。ABEMAはCA(サイバーエージェント)なので特に代理店的気質だから余計そういう感じなのかも知れないけど、物作りの現場はやはりどこも一緒だな、と思った。
で、僕自身はどうかというと、ちょっとややこしいが物作りという点ではやはりどちらかというと、クリエイター気質だと思う。自分の絶対信じるべき軸があり、良い良くないの基準ははっきりしており、よく無いものを選択されると正直テンションは上がらない。
しかし他方経営者でもあるので、経済的合理性も重んじているし(じゃないと会社無くなる)、本質的に請け負いである限り、それはお客様の所有するビジネスであり自社の所有ではない。メリットデメリットを説明した上で何を選択するかはもう僕の仕事でも責任でもない。
デザインについて言うのであれば、アートと商業アートは異なる。自分の信じるものをつらぬきたいのであれば、自腹のカネでアーティストを目指せば良い。
・・・という割り切りがクリエイターという人種の場合はなかなか出来ない人が多い。で、大体困った事に、そういう人に限ってかなり優秀な人材だ。そして更に困った事に、そういうクリエイターの気質、傾向を普通の「ビジネスマン」はあまり理解出来ない事が多い。
なのでクリエイティブにもかかる仕事をしていると、こういう人材のマネジメントは正直結構骨が折れる(まあどんな仕事でも楽な仕事は無いけど)。簡単には言うことを聞かないからだ。でも逆に言うと、簡単に言うことを聞かないという事は、こだわって仕事をしている証左でもあり、だからこそ信用して普段一緒に仕事をしている、ということでもあるのだけど、中々大変なのよねー。ヤツメウナギ見つけるくらい大変です。

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