異端やヘンタイのいないコンビニの未来とは-ローソンに見る小売りと商社のビジネスモデルの本質的違い

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Web屋の経営

ローソンがなかなか大変なようです。

 
株主総会で会長を退任した玉塚氏は、4月の会見で「子会社になったタイミングで退任を決断した」と語った。大株主が“資本の論理”を振りかざし子会社化したことが、玉塚氏退任のきっかけをつくった。

 5月30日の株主総会後は社内取締役5人全員が、竹増社長を筆頭に三菱商事出身者が占める。今のところローソン社内に大きな混乱はみられないが、目に見えた成果を示せなければ、個人株主を含め社内外から、三菱商事への風当たりが強くなることも予想される。

 

経営の世界では、結果が出なければ「外野」からあれこれ言われてしまうのは宿命なので、仕方の無い部分ではあります。公開企業であれば特にそうです。

ただ、ライバルであるサンクスとファミマを持つユニー・ファミリーマートホールディングスも、伊藤忠商事の副社長だった高柳浩二氏が2月から社長ですが、まだ役員にはプロパーがいます。また、実質的なファミマ復活の立役者である上田氏が代表権こそないものも、取締役相談役として鎮座しています。上田氏の場合は伊藤忠では元々失礼ながら傍流の事業部出身であり、相当異端なキャラのため、古巣一辺倒ではない観点を持っており、だからこそファミマをここまで大きくもってこれたのだと思います。実質引退に近いのかも知れませんが、上田氏の影響力はまだあると思います。

他方ローソンも、同じく復活の立役者である新浪元社長は上田元社長と同じく、親会社の商社出身ではあり、これもかなりの異端児で「ヘンタイ」と言っていいでしょう。新浪氏の場合は在職中にハーバードMBAを取得しており、キャリアから言えばど真ん中の本流です。にも関わらず親会社一辺倒ではなく、あくまでもローソンファーストの経営を貫きました。「ヘンタイ」だからこそローソン復活を成し得る事が出来たワケです。

新浪氏は退任時に、親会社である三菱商事の意向に逆らい、小売りの現場を分かっている人という事で「外様」の玉塚氏を後任社長として据える英断をしました。これも「ヘンタイ」の成せる技と言えるでしょう。

しかし、新浪氏がサントリー・ホールディングスに移り、完全に「卒業」した後は後ろ盾もなくなり、玉塚社長は退任し、ローソンは今のような状態になってしまった訳です。

元々商社というのは本質的にBtoBのビッグディールな口銭ビジネスモデルであって、鉄なら取引100トン単位が当たり前であって、10キロ100キロなどはもはや鉄ではありません。

ところが小売り業というのは鉄でいうとその10キロ、ヘタをすると2キロ3キロをしっかり積み上げる仕事であり、現場の細かい気遣いが大事であり、従業員の笑顔一つで売上がブレます。ビジネスとしては本質的に全く異なります。

そのような根本的にビジネスモデルが異なる中で、三菱商事出身者がローソンにやってきて結果を出していくのはヘタをすると「文化」が違いますから、相当な茨の道かも知れません。

今後ローソンは復活していけるのでしょうか。個人的にはからあげ君が大好きなので(たまにこういう変な?からあげクンもありますが)応援しています。

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