業者か、パートナーか、それが問題だ-クライアントと大げんかしてしまったおもひで

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ビジネス雑感

弊社では昨今Webサイト制作、Webシステム開発について、しばしばパートナーさんにお仕事のお手伝いをお願いする事があります。

 

実は過去いろんな変遷を辿りつつ、直近の長い間、開発はほぼ100%内製方針で来ていました。

ですが、最近は現状にアジャストする形で方針を一部修正し、特化した能力を持っている外部のパートナーさんと積極的に一緒にお仕事をさせていただく頂く形にしています。

お手伝い頂いているパートナーさんは、エリアは札幌だけにとどまらず、首都圏の方にもお願いしており、契約形態も契約社員的な形であったり、案件ごとのコミットメントであったり様々です。

 

弊社のお取引先様と同様、パートナーさんにも長期的におつきあいを頂いているケースがほとんです。

 

ちなみに業務拡張のため、パートナーさんは絶賛募集中ですので、こちらからお問い合わせ・売り込みお待ちしております。

 

それで、外部のパートナーさんにお仕事を依頼するとき、特に気をつけている事があります。

 

それは、弊社として単なる「業者」「外注」ではなく、「パートナー」であり、利益・運命共同体である、というスタンスを大事している、という事です。

 

仕事を出してやっている、のではなく、していただいている。していただかないと実際困るわけですから、常に感謝と敬意の念を持って接することが大事だと思ってます。

 

これは仕事を出すクライアントもそうあるべきだと私は思っています。

 

滅多にないのですが、ごくごく極めてまれに、お仕事の発注先に対して、横柄な業者扱いをしてくる方がいます(一応念のために書きますと、ここ数年はほぼ見たことがありません)。

 

こういう横柄な態度を取るクライアントというのは、単にその態度、姿勢というより、そもそも組織としての価値観、物事の考え方に本質的な問題がある事が少なく有りません。それが単に態度になって表層に事象として現れているだけだと思います。

 

もう相当昔で時効だと思いますので書きますが、とある地元の大企業とお取引させていただいた時のことです。何かに付け難癖を付けてくる担当者がいました。

 

その担当者は、社の方針が気に入らず、結果お引き受けさせていただく事になった弊社に対して、いちいち揚げ足取りをしたり、業者なんだから黙って言われたことだけやれ、というスタンスで接してきていました。

 

それでもお取引先様ですので、黙って対応をしてきたのですが、ある時、あまりにも濡れ衣を着せられてしまったため、私の堪忍袋が瞬間プチっと軽く切れてしまい、

 

「いい加減にしろ!そもそも誰のためにやってやってんだと思ってんだ!こちとら仕様外の事でも、この機能が無いとあんたが困るだろうからとうちが気を利かせて自腹でやってんだろ?。それを余計な事しやがってだと?いい加減にしろ。これ以上業者扱いするなら他に頼め。今すぐ取引お断りだ!」

 

と言ってしまいました。
※念のためですが、これは面白くするために相当なデフォルメ、脚色をしております(滝汗)

 

当時はまだかなり若く、今思うとやや若気の至りではありましたが、まっとうなことを言っているしやっているという自負はありました。

 

とはいえ、言った瞬間、「「いつかはモノに、部長の娘」と詠んだ一句が部長にバレて銃で乱射されて逃げ回るこち亀の両津勘吉の様な絶望的な気持ちになりましたが、言ったものはもう仕方が有りません。

 

その話は瞬く間に上層部に伝わり、「ん、なんだなんだ」と常務が出てきてしまい、社を上げての結構大きな問題になってしまいました。

 

実は弊社にご発注頂いたそのプロジェクトは、その常務も元々かなりの反対派であり、社長の決断で動き始めた経緯がありました。

 

また常務は社内でも相当の実力者との噂で、なので話がこじれてしまった時、これはかなり面倒な事になるだろうなぁと思いました。

 

出頭命令を受けて、説明して下さい、との事だったので、お伺いし、

 

「御社のためにやった事をなぜ否定されるのですか。御社はなぜあえて不利益を選択するのでしょう。私は間違った事は一切やっていないし、言ってるとも思いません。大体パートナーじゃないのでしょうか?うちは交換可能な部品ではなく、うちだから貢献出来る知見を持っていると自負しています。うちが気に入らないなら他の「業者」に頼んで下さい」

 

という事を、自分でも驚くくらい冷静に淡々と説明しました。これで切られるならもうしょうがないよね、っていうかどうせ切られるよね別にでも覚悟してますんで、という感じだったので、力みも特にありませんでした。

 

一通り説明が終わると、想定外の事に、常務は

 

「なるほど、それは田中さん、君の言う事が正しい。申し訳無い。社内で再度確認はするが、今後はそういう事は起きないようにするので、最後までこのプロジェクトを面倒見て欲しい」

 

と言って頂きました。

 

おお、なんと、実は常務はとてつもなくでっかいキャパをお持ちの漢(おとこ)だったのです。惚れました。

 

結果的にやや暴走気味の抗議だったかも知れませんが、事なきを得て、それ以来、担当者による言いがかりもほぼ無くなりました。その担当者はプロジェクトが完成した少し後、退職されていきました。後で聞くと、社内でもかなりの問題児で、他にもいろいろと問題を起こしていたとのことでした。

 

この一連のいざこさを通じて、私は二つの視座を持ちました。

 

一つは仕事を受ける側の視点です。仕事を発注していただく事に、感謝の心を決して忘れてはいけない、という事です。どんなに良い仕事が出来る能力があったとしても、仕事を発注する人がいなければ、メシは食えません。一人カラオケで俺の歌はうまいと言ってもただの自己満です。シンプルで当たり前の事ですが、常に心にとめておくことが大事です。

 

もう一つは仕事を出す側の視点です。

 

どんなに予算があったとしても、自分の方が大きな会社であったとしても、受注者をいかにうまく見方に引き入れて、良い仕事をして貰うかが、プロジェクトの成否を分けます。対立関係にあっては良い仕事は成せません。だから、受注者は単なる「業者」「外注」ではなく、運命共同体である、大事なパートナーとして扱わなければならない、それが成功の必要条件だということです。

ちなみのその漢常務とはその後極めて良好な関係で意思疎通をする事が出来ました。任期満了で退任の歳には、お世話になったお礼に一席設けさせて頂きましたが、おだやかな笑顔が大変記憶に残っています。その後常務は別の他業種の大手企業に役員として招聘され、またご活躍されたとお聞きしました。

出来る人はどこでも活躍出来ますね。見習いたいものです。

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