電光石火で辞めたスタッフの残した教訓ーWebディレクションと営業の違い

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Web屋の経営

大分以前の出来事なのですが、入社したと思ったら一ヶ月も経たないうちに電光石火で退職していった、未経験者の比較的若いスタッフが一人いました。

 

そのスタッフにはいろいろと経験をして欲しかったので、また大事に育てたかったので、入社後すぐ出張に同行して貰い、夜の会食にも参加してもらいました。

 

そして出張から戻ってくると、どうやら社内外で愚痴や文句をこぼしているという話がよそから聞こえてきました。

 

「なんか営業させられた。話が違う」

 

と言っているというのです。

 

当然ですが、未経験者ですから、営業などさせるわけがなく、また出来るはずもありません。それで期待していたら使う側がサイコです(汗)。

 

出張時も特に同席したお客さんと話をするわけでもなく、ただいるだけで(元々お客様の本件に対する熱意や本気度、空気を感じて欲しいと思って連れて行ったので、それでOK)、それのどこが営業?そもそも新卒じゃないのですから、営業という仕事をどんだけ下に見てるのかな、と思いましたが、まあまだ若い部類ではありますので、認識が至らないのは仕方の無い事だとは思います。

そういう間違った考え、思い込みについて、残念ながら私が経営者として力量が足りなかったために、それを修正する事が出来ず、また本人も他にも思うところがいろいろとあったのでしょう、結果的にすぐ当社を離れていったわけです。

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非常に残念な出来事で、伸ばしてやれなかった事をとても反省しているのですが、しかし、このような未経験者でWedディレクションと営業の基本的な違い自体がそもそも理解していない人は、実はかなりいるのではないかな、と思います。

 

簡単に言うと、Webディレクションとは受注したプロジェクトに対して、採算を意識しつつ、お客様に寄り添いながら、やりたい事をいかに形にして実現するか、という事がミッションです(弊社の場合だと、もう少し更に踏み込んで、ビジネスとして結果を出せるところまでこだわる、というのがあります)。

 

他方、営業というのは、いかに新規のお客様、プロジェクトを受注するか、それが何よりも大事です。

 

勿論Webディレクターも、プロジェクトを進める過程で新規の追加案件についてご相談を頂く場合はあります。しかしそれはWebディレクターの仕事としては「目的」ではなく、「結果」に過ぎないのです。ある意味仕事への評価、といっても差し支えないかも知れません。小さなWeb制作会社で営業がいないのは、そもそも固定費、損益分岐点が低いので、そのようなサイクルでも収支が成り立ちやすいからです(良い仕事をしている会社限定ですが)。

 

営業は新規案件を獲得すること自体が唯一無二のミッションです。そのためには、「こいつに発注して果たして大丈夫だろうか」というカベと闘わなくてはなりません。そのためには、お客様と意思疎通を重ね、お客様の抱えている課題を、どういう角度から提案するのが一番最短で効果的な解決方法なのかを考え、またそれがいかに自社のリソースで実現出来るのかを考えなくてはなりません(そうじゃないと絵に描いた餅になります)。そしてこれが一倍大事なのが、それをお客様にいかにわかりやすく伝えるか、という高度なコミュニケーション能力が要求されます。

 

超極論すると、作るだけのアホに営業は出来ませんし、営業するだけのアホにサイトは作れません。どっちも組み合わせてはじめてプロジェクトは走り出す事ができるのです。

 

Webディレクションも営業も、お客様と言いたいことをきちんと言える人間関係を作り、折衝をする、高度なコミュニケーション能力が求められるのは代わりません。

 

しかし、実際にやってみると、その中身はどエラい違う、というのが長年この仕事をやってきた実感です。

 

そのような違いについて、その後入ってくるスタッフときちんと共有(教えてやる、ではなくてね)する事がとても大事だなと思いますし、人を育てるという点で、私はまだまだ至らない点が多いなと改めて感じます。人は変わりませんから、自分が変わるしかありません。良い教訓になったなと思っています。

 

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