「言われたことしかやってくれないんだよね」

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ベンチャー・経営

「田中さん、今担当してくれてる人ね、すごい良い人で、言われたことをちゃんとやってくれるんだけどさ、そうじゃないんだよね」

 

「はい?」

 

もう結構な昔になりますが、とある都内のお客さんとの打ち合わせで、こう言われた事がありました。

 

当時私は今と違って、現場のオペレーションをかなり離れており、ほとんどを担当者に任せていました。

 

「どういう事でしょう?」

 

こう言いながらも、実は私は内心、わずかばかりの心当たりがありました。そして案の定それは当たってしまいました。

 

「僕もね、毎日いろいろ忙しい中で依頼を出している。それをやってくれるのは本当にありがたいんだ。ただね、彼女は単に言われたことをやってくれてるだけなんだよね。頼んでおいて何だけど、そうじゃじゃないんだよ。こっちは頼みながらも、本当にそれでいいのかな?って思いながらお願いしているわけ。だからそこをくみ取ってくれて、本当は実はこうした方がいんじゃないでしょうか?とかさ、もっと提案とかキャッチボールして欲しいわけ。今の担当の人、とっても良い人で誠実に一生懸命やってくれているだけど、単に言われたこと淡々とやってくれるだけなんだよね。そうじゃないの、分かるでしょ?本来デジファはそこが一番得意だよね。そういうのやって欲しいんだよ」

 

私は勿論そういう事の重要性は認識しており、スタッフにもその趣旨を話したりしていましたが、個々のスタッフ一人一人にきちんと伝わっているかというと、必ずしもそうではないな、伝え切れてないな、という感覚がありました。まあ要は経営者として力不足なわけで、スタッフには何の非もありません。この頃は私はほぼ現場を離れていたため、直接見聞きこそしてはいませんが、何となくそういう事が起きているのではないかと感じていました。それを面と向かって指摘された訳です(ちなみにうちのお客さんは比較的お構いなしにズバズバ指摘してくる人が多い気がします。実はめちゃくちゃありがたいなと思っています)。

 

まあ相当昔の話なのですが、この時のエピソードは今も時々スタッフに話をしていまして、仕事に対する姿勢を共有するようにしています。

 

単に言われたことをやっているだけというけど、それ自体とても尊いことだし、意外と難しい事だったりします。そんなに思うほど、言うほど簡単な話ではありません。しかし、他方お客様から見て「言われたことをやってくれる」だけでは、何の付加価値も無い、という事も厳然たる事実です。

 

常に額面通り受け取って、言われたことだけをやるのではなく、どうしてそうしたいのですか?という動機、理由を聞く。そこから実は別の解決策の方が良いかも知れませんし、今依頼されたことが間違った解である事もあり得るわけです。

 

言われたことだけをやっていれば、仕事をした気にはなるかも知れませんが、結果的には自分を「交換可能な部品化」しているだけで、自分の価値をおとしめているに過ぎないのです。

 

お客様に余人を持って代えがたい、と思われるためには、自分をいかに付加価値化していくのか、感謝されるのか、しっかり考えながら仕事をしていく必要があります。これも言うほど書くほど簡単ではありません。私もこの業界の末席で20年くらいいますが、未だに毎日反省しています。サルも頑張ってます。スタッフにも、このエピソードは時々説明するようにしていますが、それは同時に自分への強い戒めでもあると思っています。

 

 

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