SOHOを8年やってわかったこと-うまく仕事を回すための二つの御法度

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弊社は今年で自営業から始めて早19年目なのですが、実はそのうち8年間くらいはSOHOでお仕事をしていました。オフィス構えてからの方が長くなったのはここ数年のことです。

弊社の詳しい沿革はこちらが大変好評なので別途ご覧頂くとして、そんなワケで、個人的にもSOHOの事は自称歩くSOHO、生けるSOHOとしてそれなりに実体験に裏打ちされた経験と見識を持っています(なんか偉そうですね)。 

それで先日、偶然こんなニュースを見かけました。

  • IBM: 自宅勤務制度の廃止を従業員に通告 – Newsln

    IBMがこれまで採用してきた自宅勤務制度を廃止することを対象となる従業員に通告していたことがtheregister.co.ukが入手したIBMの社内発表資料によって明らかとなった。

    IBMはこの決定に伴い、対象となる従業員に対して、今後もIBMでの雇用を継続したい場合には、オフィス勤務の形態を選ぶか、退社を選ぶか30日以内に決めるように要請している。

IBMの詳しい話は知りませんが、少なくとも8年間SOHOで仕事をしてきた中で、SOHOという勤務形態で仕事をうまく回すためには、二つの守らなくてはならない御法度があるように思います。

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その一つは「若い人はSOHOダメ!ゼッタイ!」という事です。

これは誰が考えてもすぐにわかると思いますが、若い人は一般論として、社会人としてのリズムが身についていないため自己規律性が弱く、社会性も十分ではないため、すぐにダラしくなくなります。それはもう効果覿面です。誰も見て無いので注意を受けにくく、一度道をそれると軌道修正がしにくくなります。 特にプログラマ等技術職の場合「結果を出せばいんですよね」などと言いがちで、チームとして周りの皆と協調して結果を出す事がおろそかになっていきます。たまにいますよね、腕はそこそこ良いプログラマだけど、生活習慣がルーズで昼出社で同僚や顧客に迷惑を掛ける人。若いときに染みついた習慣はよほどの事が無い限り治りませんのでこうなるともう「不治の病」です。麻薬と一緒でもう意思の強い弱いの問題ではありません。SOHOはそういう人を(に)育てる効果があるのです。

弊社の場合で言うと、その昔SOHOでそれなりに回していましたが、当時いたのは全員30歳以上の、ある程度勤め人としての常識的社会経験を踏んできた人達でした。だからこそ円滑にSOHOで業務が回せたとも言えます。朝の業務開始時にSkypeを立ち上げ、意思疎通は全てSkypeで済ませていました。いわばSkypeがタイムカードのような役割も果たしていたわけです。

ちなみに若い人材(20代前半)を何名か採用した事があったのですが、朝Skypeをあげず「出社」しなかったり、予告無しでいきなり連絡が取れなくなったり、すわ何か事故事件でも起きたかとアパートまで行ってドアをガンガン叩いても出ず(結局寝坊でバツが悪いので単に居留守使っていただけだったのですが)という事が連発して、結局辞めていきました。若いんですから無理もないことですし、当時は私もわかってませんでしたので、後から振り返ってみて、若い人をSOHOで使ってしまって酷なことをしたなと反省や後悔の念があります。

勿論若い人の中には、ちゃんとした自己を律する事の出来る人もいることにはいますが、やはり一般的には相当ハンデのある勤務形態と言えるでしょう。そう、つまり、SOHOという勤務形態は、人を選ぶのです。


また話はちょっとそれますが、経営という観点から言うと、SOHOの場合、新卒を採用しにくい、というハンデがあります。まず親御さんが不安を覚えて入社に反対しますw。冗談みたいな話ですが本当です。弊社でも以前SOHO時代、役員の母校の大学から若いのを採用しようとしたところ、土壇場で「通勤しないで家で仕事ってどういうことなの!?ケンちゃんそんなトコ辞めてまともな会社にしてっ!」とお母さんに猛反対されて入社ドタキャンされたことがありました(名前がケンちゃんというのはもう覚えてないので適当につけてみただけですすいません)

なので、自営業的に自分と家族の食い扶持をとりあえず稼げれば良い、という人には問題無いのですが、そこそこ組織として大きくして安定化させていこうという経営者指向の方には明らかに向いていません(一時的には大いにありです。うちがそうでしたので)。

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SOHOをうまく回す二つ目の法度は「全部SOHOはダメ!ゼッタイ!たまにならOK」という事です。

実は私は9年目にオフィスを構えた時に、新ためて再認識させられたのですが、それは「同じ場所にいるって、意思疎通がこんなにもラクチンなのか!」という事です。もうこれはびっくりました。8年も丸々SOHOだったので、会社勤めだった頃を忘れてしまっていたワケですね。 

日本人は特に「空気を読む」事が重視されますが、SOHOだと基本空気が読めませんし、ちょっとした雑談をする事が難しい勤務形態です。普段の何気ない会話から「そういえばあれってどうなったっけ」とか「こういうコトするともっといいよね」というような気づきやアイデアが生まれます。また、ちょっとしたお互いへの気遣いが、その後の意思疎通をとても円滑にしたり、「あいつなんか今日機嫌が悪いな」とかコンディションもわかります。これはチームとして働く上で、実はものすごく効率を左右する重要な事です。SOHOの場合、こういう「ちょっとした雑談」「空気を読む」が構造的にとてもしにくいのです。

SOHOという勤務形態は、このチームで円滑に働いて成果を出す上でのツボが押しにくくなります。たまにやる、というのはとても良い事だと思います。例えば弊社では現在風邪気味だと基本出社禁止で自宅作業になりますし、また数日間リゾート地で働きたい、という事も原則OKにしています。私自身、夏は休みを兼ねつつ、リモートで仕事をしています。 

SOHO勤務は時間と空間に縛られないというメリットもありますが、他方デメリットも当然あります。結局の所、勤務携帯というのは、それ自体の是非を論じても意味がありません。業務として成果を出すにはどうしたらいいのか、という事がまず起点であり、従事する人のスキルやコミュニケーション能力だったり、会社の規模、成長ステージ、文化や職種によって変わってくるのではないでしょうか。最後は特にひねりも無く、普通のまとめになってすいません。

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