「一緒に働きたくないと思う人はどんなタイプでしょうか?」

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「一緒に働きたくないと思う人はどんなタイプでしょうか?」 採用

イラスト引用:@takelogtake さんより。

昨年、新卒の面接をしている中で、一人の学生さんから「一緒に働きたくないと思う人はどんなタイプでしょうか?」という質問を受けました。普通は逆の質問を受ける事がほとんどなので、やるなぁ、と思いつつ、はて、とそこで少し考え込んでしまいました。なぜかというと、当然これまでの経験値の中でそういう基準は持っていますが、それを言語化してきちんと整理したことはあまりなかったらからです(そもそも言語化自体が苦手ですが)。

「なかなか良い突っ込みだねw」とその学生さんに返しつつ、時間を稼いでその間にいろいろと考えました。そこでふと大昔のエピソードの事を思い出して、それを説明する事にしました。

「いろんな形があると思うんだけど、その一つを上げるとするなら、違和感に気づかない人、ですね。」

どういう事かと言うと、普通お仕事は大きく分けると2種類に分類することが出来ます。「定型業務」と「非定型業務」です。当然ですが、前者の方は同じ作業を大体同じタイミングで変わらずに繰り返す事になります。

もう大昔になってしまいますが、こういう事がありました。とあるシステムの利用料金の計算が毎月1回あり、アルバイトの方に集計作業をお願いしていました。普段は毎月1万円いくかいかないかという利用料金で、長年ずっと変わりません。

ところがある時、経理から「田中さん、あのシステムの利用料金ですが、これホントにいいんですか?」と念のための確認が来ました。ん?とよく見るとその集計シートには何と200万円近い金額が書き込まれており、私は腰が抜けるほどびっくりしてしまいました。勿論そんな利用の仕方はしていません。いずれその請求書が回ってきますので、遅かれ早かれそこで気づくことにはなるのですが、経理がアルバイトさんから来た数字を見てあまりの料金落差にびっくりしてしまい、すぐ私のところに確認を入れてきた訳です。

結局のところ、その金額は利用しているシステムの提供会社が集計根拠となる数字を思いっきり間違えて送ってきた事が分かり、問題はすぐに解決しました。しかし、この時そのアルバイトさんと話をして、この人は作業を単に機械的にしているだけで、実は何も考えていないんだな、という事に気づいたわけです(ちなみにこの方には結構長い間この作業を担当して貰っていました)。

この様な明文化、マニュアル化されてはいないが、「違和感」として当然気づかなければならない事、気づいて欲しい事、というのは、非常にマニュアル化やマネジメントが難しいです。細かく詰めるには膨大な労力がかかりますし、その割に対して効果は得られません(大体問題は想定外のところで起こります)。出来れば「常識」として判断して欲しいのですが、「常識は人によって違いますよね」という指摘はそれはそれでその通りです。結局のところ、そのアシスタントさんは任期満了で離職されていったのですが、つまるところ、人は間違える前提でダブルチェックをする、という事しかないのかも知れません。しかし当然全ての作業にダブルトリプルチェックは出来ません。会社として体力がありませんし、また結局のところどこまで突き詰めても、必ず属人的な部分というのは残ってしまいます。

組織として重要度に応じたチェック体制を作ることは勿論大事です。しかしそれ以上に前提として「違和感に気づかない人」ではなく「違和感に気づく人」と働き、リスクの閾値を下げる事は、組織としてとても大事な事ではないかと思っています。そしてもっと言うと、そういう「違和感にいち早く気づく優れた人」に選んで貰えるような会社にしなければならない、という事が更に大事だなと思っています。この社長、アホな指示しかせーへんな、と思われたらお終いです(いうやもう既に思われているかも知れません)。

そんな話を新卒さんにお話しました。

そして実はこの新卒さんとのお話、このつぶやきがネットに転がっているのを偶然見つけて、ああ、そういえばそういう話をしたな、と思い出したのでした。カラス頭ですね。というと、カラスさんに怒られてしまいそうです。

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