想像力の欠如がもたらすもの-Web屋もしかり

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Web屋の経営

先日、私が借りている立体駐車場にこんな張り紙が貼ってありました。

立体駐車場ですので、元々借りるときにRV車と普通乗用車の割り当て台数は決まっており、金額も微妙に異なります。

RV車と普通乗車では、車のサイズが違う訳ですから、なぜそれぞれに割り当て台数があるかと言うと、立体駐車場の構造的な制限の問題があるであろうこと、普通乗用車のところにRV車を入れると、もしかしてやばい事になってしまうのではないだろうか、大惨事なる可能性があるのでは?という事はちょっと考えれば誰でもすぐに分かる事のはずです。

私の借りているこの立体駐車場は4桁のキーで車を出し入れするパターンなのですが、万が一番号を押し間違えると、別のレーンに車を入れてしまう可能性があるので-電子モニタ見れば押した数字が出てくるので分かると言えば分かるのですが-何しろ割とおっちょこちょい系らしいので(汗)、毎回軽くびびりながら入庫しています。

この張り紙が張られた背景としては、恐らく最初は普通乗用車で契約したものの、その後車をRV車に買い換えた人がいたのでしょう。で、そもそも車種登録した事を全く忘れてそのまま入れてしまったか、又は金額が上がるのを嫌がって確信犯的にぶっちぎって利用していたのかのいずれかの理由ではないかと思われます。

しかし、ちょっと考えれば、実はやばいだろう、というのは「普通は」わかるはずです。そしてこのような想像力の欠如がもたらす破壊力とインパクトは、どんな事にも言えます。

我々Web屋の場合も同様です。例えば会員登録が必要なWebサイトを開発する事になったとします。「当然」パスワード取り寄せ機能が必要ですが、それがなかったことが後工程のテストフェーズになってから判明したとします。お客様は「パスワードを忘れた時にそれをユーザーが取り寄せる機能がないなんて事があり得るわけがないだろ!追加して下さい!」と言い、Webシステム開発会社は「言われたとおり、そして事前にご確認頂いた通りの仕様で開発していますので、別途お見積もり御発注となります」という業界の伝統芸能「仕様の範囲を巡ったバトル」が繰り広げられるとなります。

まあこれは極端な事例ですが、「お客様の言われたことを開発し、納品する」という【受託開発】においては、しかるべきプロセスをたどっているのであれば、法律上開発会社には瑕疵は全くありません。お客様は納得出来ないかとは思いますが、事前に確認頂いているのであれば、それは見落としであり、追加になります。

しかし、個人的な意見を言わせて貰うとするなら(このブログはそもそも個人的な意見の塊ですがw)この場合はお客様側の意見にやや分がありように僕は思いますし、僕なら自腹で追加で開発します。「開発会社アホやろそれは」だと思います。また個人的にも実際に20年間そうしてきています。それは「追加」ではなく最初からある「べき」ものであり、「するべき」ものなのです。開発者側の想像力の欠如が原因です。

ただし、勿論ケースによっては明らかにお客様の「無理強い」という事も希になくはありません。また完全にグレーゾーンというものは確かにあります。

「無理強い」の場合は話は簡単で「家が出来てから気に入らないので寝室とキッチンの場所を入れ替えてくれタダでやってくれと言う話をハイ合点!と快諾する建築会社がありますか?」というお話も出来ます。しかし結局のところ、個別にお話しをしていくしかありませんし、その中で双方どこまで折り合えるか、という事かと思います。後は個々のご判断です。受託開発においては良くある事かと思います。

しかし、かなりのケースでは、そのような無理筋又はグレーゾーンというよりは、このような発注者側も、開発者側も、多くの点は双方の「想像力の欠如」に起因しており、その芽を摘むだけで、かなりの部分のトラブルは、どんな業界、業種でも避けられるように思います(全部ではありませんが)。そして個人的には、僕個人としては、それをお客様側に求めても仕方が無く、それはプロとして開発者側が想像力を働かすべきだと思っています。それは絶対値としての良い悪いという価値判断ではなく、発注者側へこびへつらうものでもなく、あくまでも「僕個人としての個人的な矜持」のお話しです。

どんな業界、業種でも結局最後に頼りになるのは、自分としてはどうあるべきなのか、という世界観、像を持っているかどうかという事と、それを起点に社員、パートナー、お客様、株主、地域社会との意思疎通を図っていく、という事に尽きるのかなと思います。そして先回りできるようになる、想像力を働かせることが出来るには、誰もが必ず出来る方法があります。それは場数を踏む、という事です。勿論センスの問題はあります。しかし、経験値を踏めば余程の事が無い限り、ある程度先回りが出来るようになります。必ずなります。

と、借りている立駐の張り紙を見て、ゲートがあくまでも30秒くらいの間、ふとそんな事をつらつらと考えました。皆さんの常識、あるべき論、世界観は果たしていかなるお姿なのでしょうか。それでは今日も一日レッツ頑張りましょう。

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